月食は不吉な兆し?
11月8日に日本各地で見られる皆既月食。
今回は月が天王星を隠す惑星食も同時に見られる一大イベントとして盛り上がりを見せています。
今では天体イベントとして何の問題もなく見られる月食。
そういえば日本では昔は不吉なものとして忌み嫌われていたと聞いたことがあるなぁ…
ということで、日本と世界の月食の言い伝えを調べてみました!
■日本
月食は「穢れ」と考えられていたようで
天変地異や社会的動乱の前触れとされてきました。
天皇の儀式・祭祀・行事などについて記された
『禁秘抄(きんぴしょう)』に日月蝕の項目があり、
天皇は日食・月食の日に重く慎まなければならず
御簾を下げて日月蝕の光を当ててはならないとされているそうです。
令和天皇も今回の月食は見ないのでしょうか…
■古代インカ
古代インカの神話に、月を襲って食べるジャガーの物語が残っているそうです。
月が血のように赤色に染まっていくのはジャガーが月を襲ったからで、
「月を襲ったジャガーが次は地上にもやってくる」と恐れ
槍を空に向かって振り上げたり、犬に遠吠えさせてジャガーを追い払おうとしたそうです。
■古代メソポタミア
人々は月食は王への攻撃だと考えていました。
その時期の災厄から逃れるため、王の身代わりを用意していたそうです。
食の期間中は丁寧な扱いを受け、その間本物の王は一般人を装いました。
月食が終わると、身代わりは大抵、行方不明となったそうです…
■インド
インドに伝わる伝統医学のアーユルヴェーダでは
月食、日食は「悪い波動を振りまくもの」で
見ると「脳や体の機能が乱れる」とされているそうです。
見てはいけない上に、日食・月食の間は水や食料を摂ることさえ禁じられます。
自分たちの体だけでなく、水や食料にも日食・月食の光が当たらないようにするそうです。
大変ですね…
光り輝いていた月がどんどん暗くなり赤銅色になる。
部分月食ならまだしも皆既月食ともなると
それはそれは恐ろしいことだったかと思います。
世界中で恐れられていたのも頷けます。
今では仕組みも解明されているので怖がることはないですが
神秘的であることには変わりはありません。
日本のどこでも見られるこの天体イベントをぜひ楽しんでみてくださいね!